改訂版 JIS規格ウェブコンテンツ(JIS X 8341-3:2010)
2004年6月に出された JIS X8341-3(高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ)は、2009年が工業標準化法による5年サイクルの見直しの時期にあたり、技術の進歩や、国際基準のWCAG 2.0との整合性などを考えて、2010年8月20日には改正されました。
改正版との違いを簡単にまとめると、
- 改正版では、WCAG 2.0(Web Content Accessibility Guidelines 2.0)との国際協調を大きな柱としているため、世界標準と共通の達成基準及び実装方法になりますが、支援技術のサポート状況などによっては、日本のユーザーに合わせた対処をしなければならない可能性があります。
- 改正版では、決められた試験を通して適合の有無を客観的に証明できるようになり、「JIS Q 1000 適合性評価・製品規格への自己適合宣言指針」による自己適合宣言を行えば、JISマークを付けるのと同じ効果を得られます。
- 改正版では、人間が判断すべき部分の手順と判定方法が明確に示されたため、客観的評価ができるようになります。
- 2004年版に無かった認知・学習・言語障害への対応、手話通訳など広範囲をカバーするようになります。
- 2004年版では抽象的な表現だったいくつかの項目が具体的な数値を示されたことで、ツールによるチェックができる部分が増えます。
- 2004年度版では「~しなければならない」「~が望ましい」だった達成基準が、世界基準と同じ「A」「AA」「AAA」となります。
一見大きく変わったように見えますが、これまでの2004年版に沿って実施してきたコンテンツの制作方法は基本的に改正後でも間違いはありませんが、幅広い対応と、かなり厳格さが必要になると思われます。
「等級AAA」はかなり先の技術革新を見据えたものなので、まずは「レベルA」に対応した上で、「レベルAA」のできる部分を取り入れるというあたりが妥当だと思われます。
現在の文章は、2010年8月20日に公開された「JIS X 8341-3:2010」の改正原案を元に、実際のウェブ作成に当たって特に必要と思われる部分を私の理解のために拾い出したもので、今後公開されたJIS規格を元に修正しながら掲載していきたいと思います。
いずれにしても、この文章はあくまでも私的に利用するためのもので、WCAG 2.0 Understanding(翻訳版)も参考に表現を変えたり、一部を省略・書き換えたものです。従って、原文とは違っており、正確ではない可能性があります。正しくは、JIS X 8341-3:2010を必ず参照してください。
もし、間違いや、解りにくいところなど、気がつかれましたら是非ご連絡ください。
<参考サイト>
JIS X 8341-3:2010(閲覧)
JIS X 8341-3:2010(購入)
ウェブアクセシビリティ基盤委員会(JIS X 8341-3:2010やWCAG 2.0 に関する詳細な情報が書かれています。)
JIS X 8341-3:2010 目次
新しいJIS規格は以下のような項目で書かれています。( )内は当研究所タイトル
序文
1.適用範囲
2.引用規格
3.用語及び定義
4.ウェブコンテンツのアクセシビリティ達成等級
5.一般的原則
6.ウェブアクセシビリティの確保・向上に関する要件
6.1 企画
6.2 設計
6.3 制作・開発
6.4 検証
6.5 保守・運用
7.ウェブコンテンツに関する要件
7.1 知覚可能に関する原則 (認識に関する原則)
7.2 操作可能に関する原則 (操作に関する原則)
7.3 理解可能に関する原則 (理解に関する原則)
7.4 頑健性に関する原則 (互換性に関する原則)
8.試験方法
8.1 適合試験の要件
8.2 試験の手順
8.3 試験結果の表示
附属書A(参考)この規格を満たすウェブコンテンツ技術及びその実装方法の選び方
附属書B(参考)WCAG 2.0 との整合性
附属書C(参考)JIS X 8341-3:2004 とJIS X 8341-3:2010 との比較
附属書D(参考)参考文献
解説